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ヨガの根底にある哲学と八支足の関係

ヨガを実践し、深めていくステップアップ
「八支足」って何?
前編

ヨガの根底にある考え方をヨガ哲学と言い、
簡単に説明するとそれは、
幸せに生きるための方法論のこと。

ヨガ哲学では、人だけではなく
動物、昆虫、植物といったすべての生き物が、
幸せになるために存在するのだと教えます。
ヨガの教科書とも言われる古典的な書物には、
「幸せになるためのノウハウ」が
こと細かに記されているのです。

大切なことは「実践し、体得しながら、理解すること」。
その実践していくためのステップこそが
「八支足」と呼ばれる8個の項目。
前編では、「八支足」の最初の2ステップ、
「ヤマ」、「ニヤマ」の基本的な知識を
学んでいきましょう。

幸せになるためのメソッド

心は、体のクセや緊張、
不調に左右されやすいというのは
日々誰もが実感しているはず。
ポーズや呼吸法で体が整えることで、
自分の心が扱いやすくなり、
ヨガの目的である幸せな人生が
実現しやすくなります。

しかし、それらを実践する上でも
知っておきたいのが
「八支足」の最初の2ステップ、「ヤマ」、「ニヤマ」。
ヨガを通して気持ちよく
生きるためのヒントが詰まった
「ヤマ」、「ニヤマ」の基礎を押さえていきましょう。

Step1:ヤマ

主に他者とのかかわり方に関する
道徳的な五つの教え。
実践することで思いやりの心が育まれます。

1:アヒンサー=非暴力

自分がされたくないことは他の人、生物にもしない。
行為だけでなく言葉でも傷つけない。
暴力的な思考も持たない。
他者だけではなく、
自分で自分を傷つけないことも大切。

2:サテャ=嘘をつかない

他者、そして自分に対して正直、誠実でいること。
真実を語ること。
嘘をつくと後悔が生まれ、
自己嫌悪や自己矛盾にさいなまれます。
たとえ傷つけないためだとしても嘘は極力避けて、
表現の仕方を工夫するのがGood!

3:アステーヤ=盗まない

金品だけでなく、人の気持ち、気分や状況、
時間も盗まない、奪わない。
悪態や悪口、手柄の横取り、
遅刻など“盗む”に含まれます。

4:ブランハチャリア=欲深くならない

誘惑にふけって時間をムダにしないこと。
これは欲をすべて排除しなければいけない
という意味ではなく、
自分のエネルギーをムダ遣いせず、
本当に大事なことのために使おうという教え。

5:アパリグラハ=執着しない

自分の成長に必要なものだけを見極め、
それ以上に余分なモノ・コトを求めないこと。
不要なものに心を奪われず、
必要最小限で生きられるようになると、
執着から解放され、心身に余裕が生まれます。

Step2:ニヤマ

主に自分とのかかわり方に関する
道徳的な五つの教え。
実践することで、毎日がもっと心地よく過ごせます。

1:シャウチャ=心も体もクリーンに保つ

日々、体、心、身の回りを清潔に保つよう努める。
そうすることで、自分の体も心も
客観的に捉えることができるようになり、
落ち着いて生活することができます。

2:サントーシャ=満足する

今あるものに目を向け、
それらがすべて自分の成長のために用意された
十分なモノ、人、状況であることを受け入れること。
欠けたものを渇望するのではなく、
与えられたものを活用して、自己を磨きましょう。

3:タパス=自己を律して、実践を重ねる

自己を律して生きることは時に苦しい。
しかし、酸いも甘いも、
世の出来事すべてを自己鍛錬の場と捉え、
粛々と経験を重ねていくことで、
自己を磨いていきましょう。
ただ、無理は禁物。
ヤマ、ニヤマを基準に
自分の心と体の声を聞くことも大切。

4:スワディヤーヤ=自分自身を知る

ヨガの実践を重ねながら自分自身と深く対話をし、
本来の自分を知ること。
ヨガでは、本来の自分とは、
常に変わらない、何からもおびやかされない、
常に満たされた存在だと教えます。

5:イーシュワラプラニダーナ=感謝する

自分という存在を生かしている
大いなる自然を認識し、
謙虚に丁寧に日々を重ねること。
生かされていることに感謝をして、
日々を過ごしましょう。

簡単なようで難しい「ヤマ」、「ニヤマ」

いかがでしたか?
当たり前のことを言われているようだけれど、
いざ暮らしの中で実践してみると、
意外に難しい…と感じるかもしれません。

しかし、「ヤマ」、「ニヤマ」あってこそのヨガ。
他者とのかかわり、
自分とのかかわりを少しずつ見直して、
本当の意味で、
幸せで快適な暮らしを目指していきましょう。

次回、後編ではヨガのポーズや呼吸法、
瞑想について解説していきます。
ヨガの全体像を知ることで、
向き合う姿勢も変わってくるはず。お楽しみに。

Text - Yogini編集部

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