emmi(エミ) > 自分の中の優しさを育てる瞑想の提案 vol.33
自分の中の優しさを育てる瞑想の提案

SDGsな私になるために

今、世界全体で動きが加速している
SDGsへの取り組み。
環境問題やジェンダー、貧困、
不平等、差別などさまざまな側面からアプローチし、
今、そして未来を生きる地球上のすべての生き物が
ハッピーでいられるために行っている活動です。

これは言い換えれば、視野を広げ、
他者のために
自分の意識や行動を改革していくことですが、
これが意外にも難しい。

例えば自分の気持ちに余裕がある時は、
SDGs的取り組みにも意識が向きやすいと思います。
しかし、仕事や家事に追い込まれ、
自分のことで精一杯になっている時は
どうでしょうか?

毎日の生活をこなすだけでいっぱいいっぱいで、
プラスアルファの思いやりを持つことができない、
もしくは持っていても
どこか義務感でやっているなんて状況に
なっていないでしょうか?

そこで今回は、SDGsの第一歩とも言える、
心を整え、思いやりを育てる
「慈悲」の瞑想を紹介していきます。

否定的に考えることが
クセになっていない?

慈悲とは、自分も含めた
あらゆる対象物や人に対して、
自分が本来持つ優しさや
思いやりを持って接すること、幸せを願うこと。
と言っても、これは前述した通り、
忙しく現代社会を生きる私達にとって、
けっして簡単なことではありません。

例えばヨガの練習中には
穏やかな自分になれても、
そこから離れると
いろいろな雑念が再びわき起こって、
イライラや不安がつきまとう、
なんてことに悩まされている人も
いるかもしれません。

そもそも頭の中が“混雑”しているのは、
ものごとを否定的に捉えるクセが
私達にはあるということをまずは知っておきましょう。

そして大切なのは、
“自分には問題があるから、
改善しなければいけない”という思い込みを捨て、
“ただ在ること(自分)でいい”と
思えるようになること。

人は忙しい生活の中で
“こうあるべき”、“こう考えてはいけない”
とジャッジしてしまい、
本来の自分のよさや優しさが
わからなくなってしまっている場合が多くあります。

そもそも自分には、
人としての“よさ”が存在し、
人に優しさを与える力を持っているということに
気づく練習から始めましょう。

優しくあるための「慈悲」の瞑想

自分の中にある勘違いを正し、
本来の自分に気づくために
最適なのがマインドフルネス瞑想。
座って目を閉じ、
自分の心の状態をありのまま捉えることで、
思考や感情は「ただ“在る”」だけだと
気づくことができるようになります。

いわばマインドフルネス瞑想は、
偏った自分の思考パターンから抜け出し、
感情の渦に再びはまらないための
トレーニングなのです。

あらゆる対象に慈悲を向けるための
“優しさの芽”を育てる
マインドフルネス瞑想を行ったら、
次に「慈悲」の瞑想に進んでいきます。
やり方はいたってシンプル。
自分の家族など大切な人を思い浮かべ、
以下のフレーズを唱えましょう。

「あなたが安全でありますように」、
「あなたが健康でありますように」、
「あなたが幸せでありますように」、
「あなたが安らかでありますように」の四つ。

一つひとつの言葉を唱えながら、
相手の安全について深く考える。
次に、胸に手を当て、
心が柔らかく、温かくなることを感じます。
そして「大切な人」から「自分」に慈悲を向け、
次に「赤の他人」、
「嫌いな人」、「生きとし生けるもの」
へとそれを広げていきましょう。

最後にマインドフルネス瞑想を再び行い、
心をリセット。
慈悲の心を、自分も含めたあらゆる人、
ものごとに向け、
自分の心を掘り下げていくのです。

慈悲の瞑想は、
他者に向けて心を開くための疑似体験。
畑を耕して、土に空気を入れ、
水や栄養を与えるように、
心の種から優しさという“芽”を生み出すのです。

そうして育てた優しさや思いやりが、
自然とSDGsのアクションに
本質的に取り組める自分を作ってくれるでしょう。
ぜひ実践してみてくださいね。

教えてくれた人=河津祐貴

かわづすけたか。
True Nature Meditation代表/
プログラムディレクター。
ニューヨークで半世紀にわたり
チベット仏教カギュ派の瞑想法を指導している、
デイビッド・ニックターンの高弟として
15年のキャリアを持つ。
国内において
毎年200名以上の指導者育成を手がけている。
企業での講演多数。

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