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女性を変える体内システム、女性ホルモンについてきちんと学ぼう Vol.2

女性を変化させる要因には
さまざまなものがありますが、
中でも特に影響が大きいのが女性ホルモン。
前回に引き続き、知っておきたい女性ホルモンに関する
基礎知識を紹介していきます。

Vol.2の今回は、特に悩みが多い月経(生理)
とのつき合い方について。
正しい知識を身につけて、
自分の体を適切にケアしましょう。

PMS(月経前症候群)はなぜ起こるのか?

月経前になると体がむくんだり眠くなったり、
食欲が増えたり、
イライラしたり気分が落ち込んだりすることは、
女性の多くが経験したことがあるのではないでしょうか?
これが「PMS(月経前症候群)」。
月経開始の3〜10日前、
排卵後のプロゲステロンが分泌される
黄体期に起こる精神的、
または身体的症状のことを指します。

個人差が大きいのは、
プロゲステロンに対する体の感受性が
人によって違うから。
感受性が高い人ほど体が敏感に反応し、
さまざまな症状が出ます。

今でこそ「PMS」は社会的にも広く知られていますが、
今から20年前は「PMS」という病名は
今ほど知られていませんでした。
女性の社会進出が進み、
自分の体や心に起きていることを周囲の人に
理解してもらう必要が生まれたことで、
「PMS」という病名が知られるようになりました。

月経の周期が25日と短い人の場合、
月経後の調子がいい時期が来たと思ったら、
わずか5日足らずでPMSが始まってしまいます。
調子が悪い時期のほうが長いのはツライですが、
「PMS」があるということは
プロゲステロンがきちんと分泌している、
すなわち排卵があったという証拠。

喜ばしいことだと思えば、
少しは前向きに受け止められるのではないでしょうか?
ただし気持ちが滅入って涙が止まらなくなったり、
死を選びたくなったりするなど精神的不調が重く、
日常生活や社会生活に
支障をきたすようなケースは要注意。

PMDD(月経前不快気分障害)という病名がつき、
精神科領域の治療が必要になります。
PMSに対する婦人科的な治療法の第一選択は
低用量ピルを服用することであり、
それによって症状がかなり改善することも多いので、
ためらわずに医師に相談しましょう。

血量の多い少ないを決める要因

正常な時の月経血の量は約20〜180gですが、
月経血の量は子宮内膜の厚みによって左右されます。
エストロゲンにもプロゲステロンにも
子宮内膜を厚くする働きがあるので、
どちらの量も多いと内膜が厚くなって
月経の量が増えますが、
どちらかというとエストロゲンの分泌量のほうが
大きく影響しています。

40代に差しかかると月経量が減ってくるのは、
エストロゲンの分泌量が減ってくるから。
大きく減り始めたら閉経が近いかなと
考えていいでしょう。

食べすぎていると月経血の量が多いのですか?
と聞かれることもありますが、
これはまったく関係ありません。

生理の時、逆転のポーズはしてはいけない?

基本的にはオススメできません。
理由は「逆流血」にあります。
逆流血とは月経血すなわち血液と子宮内膜が
子宮から卵管を通って腹腔内に流れ出ること。

子宮内膜が腹腔内に流れ出ることが
子宮内膜症の原因の一つとされています。
子宮内膜症は子宮の中にしかないはずの子宮内膜や、
それに似た組織が卵巣や腸、腹壁などにでき、
月経のたびにはがれ落ちては出血し、
体内に貯まっていく病気です。

逆転のポーズを避けたいのは、
重力によって逆流を促す可能性があるからです。
実は逆流血は、逆転のポーズを取らなくても
ある程度は月経のたびに起きています。

マヨネーズのチューブを想像してみて下さい。
出ていく穴が小さいと中の圧力が高まった時に
別の方向に流れようとします。
同じように子宮の収縮で
子宮内膜を体外に出そうとした時、
子宮の出口(=子宮口)が細いと出づらく、
行き場所のない内膜が卵管に逆流するのです。

とはいえ、この流れによって
卵管の通過性が保たれているという説もあるので、
逆流血が絶対に悪いわけではありません。
ただ、腹腔内に子宮内膜症を起こす可能性がある
ということは知っておきましょう。

特に逆転のポーズを避けたいのは、
子宮の収縮が最も強い1日半か長くても2日くらい。
3日目以降は、三日月のポーズや骨盤まわりにある
大きな筋肉を動かすようなポーズを取ると、
骨盤内の血流がよくなって
生理痛の緩和につながります。
無理せずに、時には体を休ませつつ
上手にヨガとも向き合いたいですね。

教えてくれた人=高尾美穂

産婦人科専門医。スポーツドクター。
女性のためのクリニック「イーク表参道」副院長。

Text - Yogini編集部

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