アーユルヴェーダの問診で
本当の「心」が見えてくる
「生命の科学」と言われる
世界最古の伝統医学、アーユルヴェーダ。
病気を診る西洋医学に対し、
個を診る医療とも呼ばれます。
具体的にアーユルヴェーダでは、
足取りや目の動き、言葉、体の動きなど、
随所から診て取ります。
体外に現れる質(症状)から
内にあるエネルギーであるドーシャ
(詳しい解説は「あなたはどのタイプ?
アーユルヴェーダ的体質診断」を参照)を理解して、
見えるものから見えないものまでを
診ていくのです。
アーユルヴェーダでは、
生まれながらの体質があり、
それぞれの特徴や思考パターンを持つと考えます。
その体質をつかさどる
エネルギー(ドーシャ)のバランスがよければ
本来持つよさが表れるのに対し、
心の乱れや強い感情でバランスが崩れると、
体質の弱点が顕著に現れてくるのです。
今回は具体的に体に表れるドーシャ別シグナルの
チェックポイントと
その対処法を見ていきましょう。
ドーシャ別チェックポイント
以下の項目にいくつあてはまるか
チェックしてみましょう。
チェックマークが多いドーシャは
バランスが乱れているという警報。
【カパ】
【ピッタ】
【ヴァータ】
シグナル別セルフケア
いかがだったでしょうか?
まずは、心の状態を認めてあげることが、
一番のセルフケア。
そして余裕があれば
簡単にできる対処法を実践してみて下さいね。
ここからは整えたいドーシャ別に対処法を
紹介してきます。
【カパの乱れ】
最近、悲しい気持ちになった日はありませんでしたか?
一つのことにとらわれすぎたり、
気持ちの落ち込みで
誰かに優しくされたかったりしませんか?
心が空っぽだと感じたら、
思い切って誰かに話をしてみましょう。
自分が孤独だと思うことをやめ、
頼れる人に気持ちを話してみることで、
心に整理がつき、楽になれるはず。
助けを求めて頼ることは、お互いのレッスンにもなり、
思うほど悪いことではありませんよ。
食事では、はちみつ、シナモン、ショウガ、
苦味のある食品を意識的に摂取し、
缶詰などの加工食品は極力避けましょう。
太陽礼拝など、
全身をしっかり使うヨガのポーズがオススメです。
【ピッタの乱れ】
怒りで苦しいことはないですか?
自分や誰かを責めたり、攻撃していませんか?
批判的になっていませんか?
責めても何もいいことはありません。
自分や誰かを責めなくても成長できます。
自分自身に「その欠点で私が一番苦しかったね。
次からどうしょうか」と、優しくしましょう。
できれば、夜風に当たり、
ゆっくり月を眺める時間を持って。
頭がクールダウンし、
気持ちがふんわりと楽になっていきますよ。
食事はココナッツオイルや、
コリアンダーなどの
沈静作用のあるスパイスを意識的に摂り、
辛いものは避けましょう。
ピッタが乱れている時は、
動きのあるポーズではなく
座って静かに呼吸をする瞑想がオススメ。
【ヴァータの乱れ】
不安、緊張が続いていませんか?
たくさんのことを考えすぎて心が焦り、
落ちつきや安心感を味わえなくなっていませんか?
少しだけ、休むことを許してあげましょう。
あなたに休みを与えられるのは、あなただけ。
たった15分でも「ゆっくり」する時間を。
できればいつもの場所から離れ、
何も考えずにいられる時間を作りましょう。
温泉やマッサージも◎。
毎日フル活動の体に感謝を込めて、
リラックスタイムを。
食事ではオリゴ糖やゴマ油を入れた
味噌汁がオススメ。
苦味や乾燥食品は避けましょう。
ヨガのポーズでは、ゆっくり横になり、
自律神経を整えるシャヴァーサナを
いつもより丁寧に行いましょう。
教えてくれた人=田端瞳
たばたひとみ。
インド国立ジャラートアーユルヴェーダ大学
医師課程卒業。
アーユルヴェーダ医師/看護師/
保健師/アーユルヴェーダ学会理事。
AMAJ理事長。
現代医学との融合を図るべく
精神科(不知火病院)など医療現場を中心に活躍。